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久しぶりのウマノオバチ [ハチ目]

少し前の雨の日、こんな日は虫は見つからないなと歩きながらふと草の上を見ると黒いものが目に入った。
よほど大きいものでないと、もう裸眼では見えなくなってしまった。
だから小さい虫はよほどでないとターゲットにならない。
この虫、老眼鏡をかけて見るとここ数年見つけられないでいた「ウマノオバチ」だった。
産卵管の長さは約40cm弱くらいだったろう。
ウマノオバチ0513-1_1.jpg






















神奈川県の知人の山では伐採したクリの木の中から数多くのウマノオバチが発生し、神奈川県立生命の星・地球博物館に資料として提供したと聞いていた。
先日、神奈川県立生命の星・地球博物館の学芸員渡辺氏と話をした際に、知人からウマノオバチを預かったのは渡辺氏だった。世間は狭いものだ。

氏によるとウマノオバチの宿主はほとんどがミヤマカミキリで、ヒメウマノオバチはキマダラヤマカミキリだそうだ。
狭山丘陵で私が知る限りミヤマカミキリは少ないので、ウマノオバチも見る機会が少ないのかもしれない。
一方キマダラヤマカミキリは比較的よく見る種であり、従ってヒメウマノオバチもそうなのだろう。
宿主が少なければ寄生種も少ない、当たり前といえば当たり前の話だ。
ウマノオバチ0513-2_1.jpg






















2017年5月13日 東京都
ハチ目コマユバチ科 ウマノオバチ  RICOH WG-4

ウスタビガフシヒメバチ [ハチ目]

ウスタビガの繭から羽化したハチ。
最終的にはオス62頭、メス31頭の93頭だった。
繭を開いた時に幼虫が1頭死んでしまったので、総数は94頭。
Gregopimpla.sp0428_1.jpg



















はて、このハチは何というハチなのだろうかと気になって、webで見つけたこのハチの論文を書かれた神奈川県立生命の星・地球博物館の渡辺学芸員に同定をお願いした。
同定に当たっては写真は不可で標本のみとの事だった。
神奈川県立生命の星・地球博物館1_1.jpg
















渡辺氏に標本を見ていただいた結果、ウスタビガフシヒメバチと同定していただいた。
この仲間は数種確認されているが、ポイントはオスの顔面の色、翅脈、メスの産卵管の形態。
渡辺氏が確認したウスタビガの繭から出たヒメバチはほとんどがウスタビガフシヒメバチだそうだ。
しかし、このハチの生態はほとんどわからないという。
普段どこに生息しているのか?自然界ではいつ羽化するのか?一つの繭から凄い数が羽化するが、一個体のメスがこれだけの卵を産むのか?複数のメスが産卵するのか?
今回の羽化数は、氏が確認したMAXとの事。

他にもヒメバチの仲間について大変興味深い話を色々と伺った。
今後この仲間にも注視してみたい!

ウスタビガフシヒメバチ0515_1.jpg



















2017年5月15日 東京都  ハチ目ヒメバチ科 ウスタビガフシヒメバチ

ウグイスカグラ専門のヒメハナバチ [ハチ目]

今日は24節気の穀雨、第十六候の葭始生(あしはじめてしょうず)。
確かに湿地では葦が茎を伸ばし始めた。
昔の人はよく季節を読んだものだ。

今の時期、長らく花を咲かせていたウグイスカグラは花を終え小さな実が目立ち始めた。
僅かに残った花に頭を突っ込んでいる小さなハチを見つけた。
脚には盛りだくさんの花粉団子をこさえていた。
コガタホオナガヒメハナバチ0420-1_1.jpg



















ウグイスカグラ専門の訪花昆虫がいるのを知ったのは何年前だろうか?
仕事で公園を回っていて、ウグイスカグラで若い男性が何かしているのを見つけた。
何をしているか尋ねると、彼は学生で大学でウグイスカグラの花とやって来るハチの研究をしているとぶっきらぼうに答えた。何とも愛想が無かったが、まぁ、彼に愛想は必要がないのだろうと思った。
そこで初めてこの花を専門に訪れるハチがいることを知ったのだった。


昨年職場に新人がやって来た。
どこかで見たことがあるなぁと記憶を紐解いて、あの時の無愛想な若者だと思いだした。
一緒に仕事をして思ったのは、無愛想なのではなく不器用なのだと。
彼はこの春職場を去って行ったが、ウグイスカグラに来るこのハチを見るたびに思い出すに違いない。


我が家にハチの専門図鑑が無いのでWEBで調べると「ウグイスカグラヒメハナバチ(コガタホオナガヒメハナバチ
)」あたりだろう。
彼に聞けば直ぐに分かったに違いない・・・。
コガタホオナガヒメハナバチ0420-2_1.jpg



















2017年4月20日 東京都
ハチ目ヒメハナバチ科 ウグイスカグラヒメハナバチ(コガタホオナガヒメハナバチ)?
CANON EOS70D EF100mm F2.8L IS USM/MT-24EX

続・ウスタビガに寄生したものは? [ハチ目]

2月18日に採取した寄生されたウスタビガの繭をジプロックに入れて室内で保存しておいた。
3月11日、同僚からハチが羽化したとの連絡があり、その翌日に確認した。
11日は9頭、12日には34頭が羽化していた。
その後、日に日に羽化数は増え16日現在ではなんとその数約80頭に及んでいる。
1つのウスタビガの繭からこれほどのハチが生まれてくることに驚いた。
1頭の母蜂がこれだけの数を産んだのか、それとも数頭が産んだのかはわからないが、ただ多産ということはこの種にとって生き抜くことが厳しい証しなのだろう。
それにしても1頭のウスタビガの蛹がこれだけのハチたちを養うということに生き物同士、種と種の繋がりを再認識させられた。
Gregopimpla.sp0316-1_1.jpg



















繭にはハチが穿った2か所の穴が開いておりそこから出てきたようだ。
発見時、中を確認するのにカッターで縦に切れ目を入れていたが、そこからは出ていない様子。
繭は繊維質ではあるがイラガの繭のように固くはないので、穿つのは彼らにとって容易なことに違いない。
Gregopimpla.sp0316-3_1.jpg



















袋の中では、数頭が交尾をしていた。
どのオスとメスも逆体勢で交尾を行っていることから、これがこの種にとってスタンダードなのだろう。
Gregopimpla.sp0316-2_1.jpg



















当初蛆虫の幼虫だったため、ハエかハチかと思っていたが、FBでハチに1票入れていただいた方、昆虫写真家の新開孝さんからは過去に経験されたことからヒメバチの1種ではないかと連絡をいただいていたがその通りだった。

調べてみるとwebで神奈川県立生命の星・地球博物館の学芸員渡辺氏の論文を見つけた。
それによると、ウスタビガに寄生する寄生蜂は体長30mmを超えるものでは以前の記事に写真を載せた1繭に1個体のコンボウアメバチ。
体長が15mm以下で1繭から複数個体羽化するものとしてウスタビガフシヒメバチ、エゾマツフシオナガヒメバチ、アカアシカレハフシヒメバチ、サクサンフシヒメバチの4種がいるという。
羽化したハチの体長はオスで7~9mm、メスで12~15mm。
特長を確認したが、ウスタビガフシヒメバチの可能性が高そうだ。
念のために標本を送って同定していただくこととした。
何せ小さいので、老眼鏡とルーペを駆使しても1号針を刺すのがどうにも大変であった。
Gregopimpla.sp0316-5_1.jpg



















2017年3月16日 東京都
ハチ目ヒメバチ科 ヒメバチ.sp
CANON EOS50D SIGMA 17-70mmDC MACRO HCM、EOS50D EF100mm F2.8L IS USM/MT-24EX

続・足元注意! [ハチ目]

ケバエの幼虫、センチコガネを気にしながら歩いていると、目の前に黄色い色が!
それは腹を見せた「オオスズメバチ」だった。
このところ、巣が終焉を迎えて時折息絶え絶えのワーカーたちをよく見かけるようになった。
翅に傷みはないが、この個体も力尽きたか・・・。
オオスズメバチ1025-1_1.jpg






















しかしよく見ると、ワーカーにしては違和感が。
この個体、ワーカーでも新女王でもなくオスバチだった。
オスを見るのは久しぶり。
念のためにつついてみるも、腹は曲げるが針が出ないのを確認して掴んでみた。
オオスズメバチ1025-2_1.jpg






















最後の力を振り絞って、大顎を開いて威嚇する。
オスバチたちは新女王が羽化する前にいち早く巣を出て他の巣の前で新女王の羽化を待ち構える。
新女王が巣を出るとそれを追いかけて交尾を迫る。
果てして、このオスは無事自分の役割を果たすことが出来ただろうか?
そっと草の上に置いたが、もう長くはない命だろう。
オオスズメバチ1025-3_1.jpg






















2016年10月25日 東京都
ハチ目スズメバチ科 オオスズメバチ    RICOH WG-4

有翅型 アギトアリの新女王 [ハチ目]

久しぶりに見た「アギトアリ」には翅があった。

アリは年に一度、有翅型の新女王とオスが現れ結婚飛行をするという。
空中で交尾をし、地面に降り立った女王は自ら翅を落として帝国を築くための産卵に入るという。

以前にアギトアリのワーカーを撮影したが、それよりも胸と腹が大きい。
恐らく新女王なのだろう。
初めは元気良かったのだが半日ほど置いていたら弱ってしまい自慢の大顎を180°開かなくなってしまったので、その様子は以前の記事で。
大顎を閉じることで後ろへジャンプすると聞いていたが、この日目の前でそれを確認することが出来た。
一瞬だったので、顎の動きはよくわからなかったのが残念だ。
アギトアリ0926-1_1.jpg



















2日間でこの有翅型を4頭確認した。
恐らくかなりの数の新女王が新たなコロニーを築くために飛び立っているだろう。
元来ここにはいなかった種、大型で大きな顎と毒針を持つことから生息範囲が広がることは現存の生態系への脅威に思う。
アギトアリ0926-2_1.jpg



















2016年9月26日 東京都
ハチ目アリ科 アギトアリ                CANON EOS70D EF100mm F2.8L IS USM/MT-24EX


バッタを狩る!クロアナバチ [ハチ目]

シャチホコ幼虫を撮っていると、足元でブーンという大きな音がした。
何だ?
音の先に視線を向けると、黒いハチが地面に伸びたネコハギにまとわりついていた。
何をしているのだろうか?
クロアナバチ0917-1_1.jpg



















よく見ると葉の陰からバッタの仲間の脚が見えた。
なるほど、ここでようやく気付いた。
想像するに、このあたりで狩った獲物を運ぼうとしていた時に、僕が現れうろうろしたので一旦ネコハギの葉影に獲物を隠してこの場を離れ、戻ってきたところを見つかってしまった という感じかな。
獲物はクビキリギスの幼虫で、狩りバチは主にコオロギやツユムシ、キリギリスの仲間を幼虫の餌として狩る「クロアナバチ」。
クロアナバチ0917-2_1.jpg



















少し観察していると、触角を大顎で掴んで草の上に飛び上がった。
狩りバチの種によって、狩る獲物の種や咥えて運ぶ部位が異なるのが面白い。
クロアナバチ0917-4_1.jpg



















不安定な葉上でも触角を咥えて腹部をうまく使って運んでいた。
さすがにこちらが見ていることにかなり警戒しているようだ。
クロアナバチ0917-5_1.jpg



















名前の通り地面に穴を掘って巣を作るクロアナバチ、恐らくさほど遠くはない場所に巣があるのだろう。
この後目を離した一瞬に獲物を咥え羽音を立てて飛び去ってしまった。
このハチが獲物を運んでいるところ見たのは、数年ぶりだろうか。
狩るところを見たいが、それはなかなか難しく運んでいるところでも稀だ。
偶然にもなかなか出会えない場面を見ることが出来たのはとてもラッキーだった。
クロアナバチ0917-6_1.jpg



















2016年9月17日 東京都
ハチ目アナバチ科 クロアナバチ  CANON EOS70D EF100mm F2.8L IS USM/MT-24X

キオビツチバチ [ハチ目]

オトコエシが見頃となっている。
オミナエシを女性に例え、それに対して茎もしっかりして、毛も多いところから男性のオトコエシ。
丘陵で自生のオミナエシは私が知る限りは無い。
今の時期、この花に今年2化目のホタルガが群れている様を見かけるが、他にも多くの虫たちが訪れる。
この日、花から花へ舐めるように移動していたハチがいた。
今までにも見掛けていたが、動きが早くてスルーしていたハチだ。
キオビツチバチ0915-1_1.jpg



















この日は敢えて撮って見た。
その名は「キオビツチバチ」。
名前の通り、お尻に黄色い帯がある。
オスは触角が長く、腹部の黄色い帯は繋がる。
したがってこの個体はメス。
コガネムシの幼虫に寄生するそうだ。
似た種にアカスジツチバチがいるが、頭部に黄色の斑があるので識別出来るようだがまだ出会ったことはない。
この種はblog初記載、まだまだですな。
キオビツチバチ0915-2_1.jpg



















2016年9月15日 東京都
ハチ目ツチバチ科 キオビツチバチ            CANON EOS70D EF100mm F2.8L IS USM/430EXⅡ


高次寄生って? キスジセアカカギバラバチ [ハチ目]

歩いていると園路脇の葉で赤い色がちらちらと目に入った。
大きさは1cmほどで肉眼では小さく赤くて翅のあるものが葉から葉へ飛び移っている、何だろう?って感じ。
普段はスルーするのだが、この日は取りあえず数枚カメラに収めた。キスジセアカカギバラバチ0907-1_1.jpg




















容姿からハバチの仲間かと調べると、カギバラバチ科の舌を噛みそうな「キスジセアカカギバラバチ」のようだ。
名前の通り腹先がカギ状に曲がっているらしいが、そこは写せなかった。

このハチは寄生バチで、中でも寄生バチや寄生バエ、スズメバチなどに高次寄生をするらしい。
高次寄生という言葉は初めて聞いた。

母バチは植物に産卵し、その卵が葉と共にチョウやガの幼虫に食べられ体内に取り込まれ、さらにその幼虫が寄生バエや寄生バチに寄生されてようやく最終的な寄主にたどり着く、何とも気が遠くなるような・・・、どんな確率なのだろう。
そのためにたくさんの卵を産むそうだ。

今でも種が存続しているのだから、自然界でこのハチの生態が連綿と繋がっていることが凄いなぁと思うのだった。
キスジセアカカギバラバチ0907-2_1.jpg



















2016年9月7日 東京都
ハチ目カギバラバチ科 キスジセアカカギバラバチ  CANON EOS70D EF100mm F2.8L IS USM/430EXⅡ


労働寄生 オオトガリハナバチ [ハチ目]

8月に設置した竹筒を久しぶりに見ると、6本中3本の筒の入り口が土で蓋がされていた。
以前に出入りをしていたので、恐らくオオハキリバチと思われる。
残る空家はどうだろうとみていると、1匹のハチがやって来た。
オオトガリハナバチ0907-1_1.jpg



















花で時折見かけるヤノトガリハナバチを一回り大きくしたようなお尻の尖ったハチ。
空家の筒の中へ入って行った。
オオトガリハナバチ0907-2_1.jpg



















少しすると出てきたが、くるりと向きを変えて今度はお尻から入って行った。

調べるとこのハチは「オオトガリハナバチ」だった。
オオハキリバチが作った巣に卵を産み付け、孵化した幼虫はオオハキリバチの幼虫を殺して巣をのっとってしまう。
自分では巣を作らず、他の巣や食料を奪う習性を労働寄生というようだ。
オオハキリバチの巣には、ハラアカヤドリハキリバチも労働寄生する。

今回観察した行動は、初めに頭から入って中の様子を探り、一旦出てお尻から入って卵を産み付けたと思われる。
オオトガリハナバチ0907-3_1.jpg



















オオトガリハナバチが去った後、同じ筒にオオハキリバチがやって来た。
オオハキリバチ0907-1_1.jpg



















やって来たというより自分の巣に戻ってきたということ。
まさか、他のハチが自分の巣に卵を産んでいるとは思いもしないであろう。
オオハキリバチ0907-2_1.jpg



















2016年9月7日 東京都
ハチ目ハキリバチ科 オオトガリハナバチ、オオハキリバチ  CANON EOS70D EF100mm F2.8L IS USM/430EXⅡ